北志賀高原(長野)　白嵓(1944.2m)　2019年7月7日　　カウント：画像読み出し不能

所要時間　4:20 登山口－－6:22 白嵓－－7:26 登山口

場所長野県下水内郡栄村
年月日2019年7月7日　日帰り
天候曇
山行種類一般登山
交通手段マイカー
駐車場登山口に駐車場あり
登山道の有無あり
籔の有無ほぼ無し。ただし足に触れる程度の草や笹のはみ出しあり
危険個所の有無尾根が細く岩場ありで転落注意
山頂の展望無し
GPSトラックログ
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コメントムジナ平登山口から往復。天気予報では雨が降る可能性が高かったが、雨は苗場山や雑魚川より南側が中心で、短時間に僅かに降られた程度だった。ただし山頂付近はガスの中。山頂には横倒しに近い山頂標識があった




登山口の駐車場 登山口
ムジナ平登山口とのこと 最初だけ樹林が開けて草っぽい
早朝は上空は雲は薄かった 樹林に入ると道は明瞭
この地図だと西ノ岩菅、フクベノ頭経由の道があった？ 藪と格闘した屋敷山、布岩山
鳥甲山北東尾根の山々
苗場山、岩菅山方面は雲の中で雨が降っていた
1437m標高点付近から見た1630m肩 標高1450m付近に岩場あり
岩場には鎖があるが使わなくて上り下り可能
標高1590m付近から見た新潟平野～粟ヶ岳。佐渡島も見えた(クリックで拡大)
標高1700m付近 標高1820m付近から根曲がり竹登場
白嵓山頂。横倒しの丸太が山頂標識 北側の山頂標識
山頂はガスの中 笹の花。ごく狭い範囲だけ花芽が付いていた
標高1620m付近から登山道のある尾根を見下ろす 切明温泉
ここにもギョウリンソウあり 登山口に戻る
登山口の案内標識にも布岩山への登山道があるかの表記。実際には激藪


　白嵓は鳥甲山に続く尾根上にある山で、地形図に山名記載は無いが日本山名事典に記載がある山。鳥甲山南東尾根上の1944.2m三角点峰で、登山道が通っているので問題なく登ることが可能なこともあり、いつか登らなくてはと考えつつ後回しになっていた。

　七夕の日曜日も残念ながらいい天気予報ではなく、避暑のための北アをはじめとして雨の確率が高い。しかし日本海側ほど降水確率が低く、鳥甲山のある栄村はほとんど新潟県であり、予報では雨が降るかどうかギリギリの線だ。志賀高原の群馬側は雨の予報で、関東は1日雨とのこと。一応、降られる覚悟で出かけることにした。北アよりは標高は落ちるが、それでも登山口の標高は約1000m、山頂は2000m近いので、それほど暑くはないだろう。雲が出て日が差さないのなら、なおさらだ。

　この時期の志賀高原の各林道は通行可能となり、登山口の秋山郷へは志賀高原経由の直通ルートが通行可能。中野市街から志賀高原へと上がるとガスがかかり霧雨が降って気温は+13℃で寒いくらい。奥志賀高原から雑魚川沿いを下っていくとガスの層を抜けて雨も止み路面は乾いていた。

　鳥甲山の登山口は2か所あり、昔登った時は屋敷集落側からだったが今回は堺集落側から。切明温泉へ下る林道分岐の少し手前に登山口があるが夜中で見落としてしまい、分岐でＵターンして無事発見。登山口の案内標識と広い駐車場があり、メジャーな登山道らしく一安心。他に車皆無の中で車中泊。

　翌朝、明るくなってから出発。上空は予想外に明るく、雲の隙間から青空も見えるほどで雨が降る気配は皆無だった。それでも念のために雨具を持ったが傘を持つのを忘れてしまうくらいだった。登山口の案内には「ムジナ平」と書かれていた。林道に面した場所に出ている案内図にはこの名前は出ておらず、簡単な地図が出ているが、屋敷側登山口と同じく屋敷山から布岩山にかけて登山道が存在するような表記になっていたのが気になる。昔は道があったのかもしれないが、今は全くその痕跡は無くなっている。

　登山口付近は樹林が開けた場所で登山道は草に覆われてこの先が心配になるが、ブナの樹林帯に入ると草は消えて普通の登山道に変わる。麓は杉の植林も混じり、この影響かサンコウチョウの鳴き声も聞かれた。まだ薄暗い早朝の時間帯にはトラツグミの悲しげな鳴き声も。同じく早起きのホトトギスも鳴いていた。

　背の高いブナ林を上がっていくと、標高1150m付近で花芽を付けた笹が登場。近年ではよく見る光景だが、通常は広範囲で一斉に開花するはずだが、ここではごく一部の笹だけ花芽を付けていた。笹は地下茎でつながっており、同じ株なら同時期に花を咲かせると思われるので、花を付けているのは独立した株なのだろうか。なお、花を付けた株は白嵓山頂付近でも見られた。

　標高1330m付近で地面に置かれた古い案内標識があり簡単な地図が出ていたが、ここでも屋敷山から布岩山には破線が書かれていた。それどころか鳥甲山山頂から西ノ岩菅、フクベノ頭を経由して高山沢/朝日沢出会から五宝木に至る道が書かれていた。本当にこんな道が昔は存在したのだろうか。

　高度が上がると背の高いブナから背の低い灌木帯へと急激に植生が変化し、1437m峰付近を境界として、それより上部では森林限界とまでは言えないが人の背より樹林が低くなり視界が開ける。ここで雨に降られるとイヤらしいが、幸いにして雨は降っていない。視界が開けて周囲が見えるようになり、雨の範囲が確認できた。苗場山から笠法師山が雨の境界で、山には雲がかかり、その下の霧がかかったように白く見えている部分が雨が降っている場所だ。雑魚川の北側には雨はかかっていないが、このまま雨の範囲が広がらなければいいが・・・などと考えていたら雨の範囲がこちらに延びてきて細かな霧雨が落ちてきた。しかしそれは一時的な現象で再び雨の範囲は後退、曇りに戻った。今回の山の選択は本当に正解であった。

　この尾根は全体的に傾斜がきつく痩せた部分が多いが、標高1450m付近で鎖がかかった岩場が登場。幸いにして一枚岩ではなく凸凹が多数あり、鎖に頼らなくても上り下りが可能であった。見た感じでは鎖がかかった場所は登りやすい場所とは言えず、あくまで尾根直上を正確に辿るのが最も登りやすいと思う。

　背の低い灌木帯がこのまま山頂まで続くのかと思いきや、標高1820m付近から根曲がり竹が目立つようになるとたちまち高さ2mほどの根曲がり竹が立ち並ぶようになり、樹林は疎らなシラビソになった。さらに高度を上げるとガスの中に突入、根曲がり竹の葉が濡れて、登山道に垂れ下がった葉を手で避けながら進んでいく。足元の草もたっぷりと濡れていて、今日は防水性能が劣化した登山靴なので少し内部が湿ってしまった。登山道には伸びすぎた筍が多数。もう筍のシーズンも終わりだろう。

　植生は根曲がり竹とシラビソ疎林が続き、傾斜が緩んで平坦になると白嵓山頂に到着。ほぼ横倒しになった丸太が山頂標識だが、文字が地面を向いているので見えない。その代わりに少し北側のシラビソ倒木に手製の山頂標識がかかっていた。元々シラビソと背の高い根曲がり竹で展望は良くないはずだが、今はガスがかかって周囲は真っ白だった。温度計は見なったがおそらく+10℃前後だっただろう。私にとっては歩いていると適温であった。

　帰りは往路を戻る。途中で単独男性とすれ違ったが、おそらく本日の登山者は私を含めて2名だけだっただろう。この天気だからなぁ。帰りの志賀高原も雨で、中野市街でも雨に降られた。

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